近傍の定義に閉集合を使わない理由

12節P.31に
連結された開集合を領域という.
...
点Pを含む任意の領域(または一般に開集合)を点Pの近傍というが、
とある。近傍の定義に使っているのは開集合である。閉集合ではない。理由は、閉集合は孤立点を含むからである。孤立点を含むような集合に対しては\(\epsilon{-}\delta\)的な論法を実施するのが困難になる。なので、近傍の定義には開集合を使う。

私ら素人は、”開集合=開区間”、”閉集合=閉区間”という認識だからどっちでもいいと思ってしまうが、孤立点をもつ閉集合は閉区間とはまったく異なるものなので注意しないといけない。イメージ的には”開集合≒開区間”、”閉集合≠閉区間”という感じである。
\(\epsilon{-}\delta\)的な論法を実施するとき思い浮かべるのは区間である。区間のような連続的な固まりという性質をもつのは開集合のほうである。閉集合ではない