閉集合の教科書の定義とwikiの定義が異なる。
こんな感じ
教科書の定義は、”閉集合≡すべての集積点を含む集合(7節P.16)”
wikiの定義は、”閉集合≡開集合の補集合”
wikiの定義は、”完全集合≡孤立点を含まない閉集合”
である。wikiの定義だと閉集合に孤立点を含む。孤立点は集積点ではない。 なので、一見すると教科書でいう閉集合は孤立点を含まず、wikiでいう完全集合に相当するように見える。
が、教科書の115節P.429で、 "三進集合は完全集合(孤立点のない閉集合)" と書いてたりする。わけわからん

と思っていたが、よく見ると教科書の定義は、集積点以外の点を含むことを拒否していない。孤立点が含まれててもいいのである。集積点のみの集合であろうが、集積点+孤立点の集合であろうが、すべての集積点が含まれてさえいれば閉集合なのである。簡単に間違った方向に進んで悩んでしまうのが素人の悲しいところである

(追記)
孤立点のみの集合も閉集合(\(\because 集積点の集合=\varnothing\subset 閉集合\))。孤立点と孤立点の集積点の集合も閉集合(\(\{0\}\cup\Big\{n\in \mathbb{N} \Big| {1\over n}\Big\}\)とか)

xx列は可算無限個

教科書で、区間列とか集合列とかxx列っていうのが出てくるが、これは可算無限個の集まりのことである。
あと級数 \(\sum_{n=1}^\infty \cdots\)も可付番である以上、項の個数は可算無限個である。
これら列とか級数が出てくる定理は非可算無限個の集まりについては成立しないので注意
カントール集合はルベーグ可測であることの証明

区間\([0,1]\)においてカントール集合を\(S\)、余集合を\(S'\)とかく \[ S' = \Big({1\over3},{2\over3}\Big)+\Big({1\over9},{2\over9}\Big)+\Big({7\over9},{8\over9}\Big)+\cdots \] カントール集合\(S\)に区間の始点が非可算無限個あったのと同様に、\(n\to\infty\)の極限において右辺の開集合(開区間)は非可算無限個ある(これには、\((始点,始点)=\varnothing\)も含まれるが、空集合は開かつ閉集合なので開集合とみなしてもよい)。定理102より非可算無限個の開集合であっても、その合併は開集合である。よって\(S'\)は開集合である。116節P.431より開集合はルベーグ可測である。よって\(S'\)はルベーグ可測である、よって\(S'\)の余集合であるカントール集合\(S\)もルベーグ可測となる。
測度は \[ \begin{align} mS' &= \sum_{n=1}^{\infty(可算無限)} {1\over3} \Big({2\over3}\Big)^{(n-1)} = 1~~~\color{red}{※1} \\ \therefore mS&=m[0,1]-mS'~~~(\because ルベーグ測度の定義) \\ &= 1 - 1 = 0 \\ \end{align} \] となる。

注意すべきは、操作n回目のカントール集合の各区間の幅は \({1\over3^n}\)だから\(n\to\infty\)の極限で \[ m(カントール集合の各区間) = {1\over3^n}\to 0\ (n\to\infty) \] よって \[ mS = \sum_{各区間\in S} m(各区間)= \sum_{各区間\in S} 0 = 0 ~~~NG! \] としてはいけないことである。
なぜならカントール集合\(S\)に属する区間は\(n\to\infty\)において非可算無限個あるから、完全加法性を用いてはいけないからである。完全加法性は可算無限個の和についてのみ成立する。非可算無限個の和については成立しない。
可測かどうかについても、区間列(列なので可算無限個)の合併は可測であるが、非可算無限個の区間の合併は可測かどうかわからないのである。

※1 カントール集合の余集合の測度
カントール集合の濃度は連続体濃度であることの大雑把な説明

操作n回目で残った各区間は
\[ \Big[始点,\ 始点+{1\over3^n}\Big] \] と表される。\(n \to \infty\)の極限において、区間の幅は0になり、区間に含まれる点は始点のみとなる。 \[ \begin{align} \Big[始点,\ 始点+{1\over3^n}\Big] &\to \Big[始点,\ 始点\Big]\ (n\to\infty) \\ &=\{始点\} \\ \end{align} \] よって、\(n \to \infty\)の極限においてカントール集合は始点のみからなる集合となる。
たとえば、\({2\over3}\)の右側の区間を考えると、 \[ \begin{align} 1回目&\ \Big[{2\over3},1\Big] \\ 2回目&\ \Big[{2\over3},{2\over3}+{1\over3^2}\Big] \\ 3回目&\ \Big[{2\over3},{2\over3}+{1\over3^3}\Big] \\ \vdots& \\ \infty回目&\ \Big[{2\over3},{2\over3}+{1\over3^\infty}\Big]=\Big[{2\over3},{2\over3}\Big] \\ \end{align} \] \(1\over3\)の左側の区間を考えると、 \[ \begin{align} 1回目&\ \Big[0,{1\over3}\Big] \\ 2回目&\ \Big[{2\over3^2},{1\over3}\Big]~~~(終点=始点+{1\over3^2}になっている) \\ 3回目&\ \Big[{2\over3^2}+{2\over3^3},{1\over3}\Big]~~~(終点=始点+{1\over3^3}になっている) \\ \vdots& \\ \infty回目&\ \Big[{2\over3^2}+\cdots+{2\over3^\infty},{1\over3}\Big]=\Big[{1\over3},{1\over3}\Big]~~~(\because 無限等比級数の和)\ (終点=始点+{1\over3^\infty}になっている) \\ \end{align} \] となり、\({2\over3}\)も\({1\over3}\)も\(n\to\infty\)の極限における始点の集合に含まれていることがわかる。
次に始点の個数を考える。操作n回目の始点の個数は\(2^n\)個である。\(n \to \infty\)の極限において、始点の個数は\(2^\infty\)個となる。ただし \(\infty\)は可算無限である。\(2^\infty\)は非負整数のべき集合の個数と同じである。非負整数のべき集合の濃度は連続体濃度である。よって始点の集合の濃度は連続体濃度である。

\(2^\infty\)とか証明では使えないので、実際は各始点を3進表記して、[0,1]との1対1対応をしめさないといけない。(略)

カントール集合は区間内部の点という要素をもたない。カントール集合の非可算性は区間の濃度に拠っているのではなく、始点の集合の濃度に拠っている。そして始点の集合は連続じゃないけど連続体濃度をもつのである。(ちょっとびっくり)

Python pip のダウングレード

  • 投稿日:
Python pip をアップグレードするとエラーがでるようになった。こんな感じ
$ pip3 install sympy
Traceback (most recent call last):
  File "/usr/bin/pip3", line 9, in 
    from pip import main
ImportError: cannot import name 'main'
手っ取り早く pip をダウングレードして回避
$ sudo python3 -m pip install  pip==9.0.1
こちらのブログに詳細な原因が記載されています。ありがたや
pip install --upgrade pip (10.0.0) 後の奇妙な挙動について

pipのダウングレード方法
how to downgrade pip version 10.0.0 to pip version 9.0.1?

零集合は Null set

零集合はNull set、もしくは Lebesgue null set
空集合はEmpty setだが、Null set ともいう
閉じたσ系はσ集合代数、σ集合体、σ algebraとかσ field
閉じてないσ系はσ集合環、σ ringのこと?
閉じたσ系における最大集合は全体集合、Universal setでいいの?
なんか用語がよくわからん。ググるとき困る

σ algebraのσは可算無限総和\(\sum\)のこと。algebraは代数なんで、"可算無限総和の代数"について閉じてる集合族。という感じか

完全加法族は閉じてないσ系のこと?
σ加法族は閉じたσ系のこと?

Wiki 完全加法族

\(\mu(e)=\infty\)の定義における仮定

108節の\(\mu(e)=\infty\)の定義の最後の部分に

(すなわち \(e_n \uparrow e\), \(\mu(e_n)\lt\infty\)なる集合列\(\{e_n\}\)の存在を仮定する。)

とある。"仮定する"ってなんだ?と思うが、これは \[ \begin{align} \mu(e)=\infty\ \Rightarrow\ \exists \{e_n\}\ \ e_n \uparrow e \land \mu(e_n)\lt\infty \\ \end{align} \\ \] を証明なしに認めるということだと思われる。証明なしに命題を認めるというのは公理を導入するということである。仮定する、、、云々と書かれるとわかりにくいが、公理が導入されているということである。

公理というと大げさなので、上の命題が成立するとき\(\mu(e)=\infty\)と定義する。と定義に含めることもできるが、証明なしの命題を導入するという状況に変わりはない。(公理を定義といっても状況は変わらない)

公理が妥当かどうかであるが、ユークリッド空間\(R^n\)における区間列の体積については妥当なかんじがする。また、最大集合\(\omega\)について公理をみとめれば、\(e\subset \omega\)については上の命題は証明できる(P403の定義の後ろ)

妥当というかユークリッド空間\(R^n\)においてはそういう区間列を構成できて証明できる(辺の長さが\(n\)の区間列とか)。なのでユークリッド空間ではこれは定理である
109節の可測関数の積分の定義

\[ \begin{align} (\Delta)~~~&E=e_1+e_2+\cdots+e_n \\ &v_i=\inf_{x\in e_i} f(x) \\ &s_\Delta=\sum_{i=1}^n v_i\mu e_i \\ \end{align} \\ \] すべての分割 \(\Delta\) に関する上限 \(\sup s_\Delta\) を集合Eの上のf(x)の積分といい、それを \[ \int_E f(x)\,d\mu \\ \] と書く。

これってリーマン積分の定義の区間による分割ってところが、可測集合 \(e_i\)による分割になってるだけなんでないの。なんかすごい自然な拡張でびっくり。もっとすごいトリッキーな定義がされるのかと思ってた。
ルベーグ積分は可測関数の積分の一例である。なのでルベーグ積分の最初のアイデアはリーマン積分の定義の区間分割のところを改良しようというだけのことだったのかもしれない。知らんけど

もっとも、定義に意味をもたせるために、測度 \(\mu e\) の話を延々と読まないかんわけだが