114節の425頁1行目で
\[
\color{blue}{
\begin{align}
&e=\sum e_i \text{が単純和であっても、(2)において等号が成り立たない(その実例がある)から、}\\
&\text{外側度は完全加法性を有しない。} \\
\end{align}
}
\]
と書かれているが、実例を調べたのでメモ。
\[
U=\sum_{q\in C}(q+V)
\]
の外測度が例になっている。ここで \(V\)は
\[
V\subseteq[0,1]
\]
にあるVitali集合とする。また、\(C\)は
\[
C=\mathbb{Q}\cap[-1,1]
\]
とする。\(\mathbb{Q}\)は有理数全体の集合である。\(q+V\)は\(V\)の各要素に\(q\)を足した集合である。
このとき
\[
\overline{m}U\leq 3 \ (\because 省略) \\
\sum_{q\in C}\overline{m}(q+V)=\infty \ (\because 省略) \\
\]
となる。よって
\[
\overline{m}U \lt \sum_{q\in C} \overline{m}(q+V)
\]
となる。等号は成立しない。
(参考)Non-Measurable Sets