集合\(E\)に属する点\(P\)は\(E\)の内点でない \(\leftrightarrow\) 点\(P\)は余集合\(E'\)の集積点である

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教科書では、内点の定義(12節P.29)
点集合\(S\)に属する一つの点\(P\)に十分近い点がすべて\(S\)に属するとき、\(P\)を\(S\)の内点という。
集積点の定義(7節P.14)
一つの集合\(S\)に関して或る点\(A\)が集積点であるとは、点\(A\)にどれほど近いところにも\(S\)に属する点が無数にあることをさしていう。ただし\(A\)が集合\(S\)に属するというのではない。
となっている。この定義を使った ”集合\(E\)に属する点\(P\)は\(E\)の内点でない \(\leftrightarrow\) 点\(P\)は余集合\(E'\)の集積点である” の証明。ただし、全体集合はユークリッド空間\(R^n\)とする。


(\(\rightarrow\)の証明)
集合\(E\)に属する点\(P\)が\(E\)の内点でないとき、\(P\)のどれほど近いところにも余集合\(E'\)に属する点\(Q\)が存在する。

ここで\(Q\)の個数が有限個と仮定すると、\(P\)に最も近い\(Q\)を\(Q_1\)として、\(Q_1\)より\(P\)に近いところの点はすべて\(E\)に属することになる。よって\(P\)は\(E\)の内点である。これは\(P\)が\(E\)の内点でないという条件に反する。よって\(Q\)は無数にある。

よって、\(P\)のどれほど近いところにも余集合\(E'\)に属する点\(Q\)が無数にある。よって、\(P\)は余集合\(E’\)の集積点である。

(\(\leftarrow\)の証明)
\(P\)が余集合\(E’\)の集積点ならば、\(P\)のどれほど近いところにも\(E'\)に属する点が無数に存在する。よって\(P\)は集合\(E\)の内点ではない。

(メモ)
"点\(Q\)が存在する" から "点\(Q\)が無数にある"を導く部分が悩んだ。最も近い点\(Q_1\)が存在するとか、\(Q_1\)と\(P\)の間に区間が存在するとかいうのは、おそらくユークリッド空間\(R^n\)という仮定の下でしか言えないような気がする。

(2018-12-06 修正)
× 点\(P\)は集合\(E\)の内点でない ...
◯ 集合\(E\)に属する点\(P\)は\(E\)の内点でない ...