"〇〇とおく"の論理式

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たとえば、\(p(x)\)の証明途中で、"\(a=x^2\)とおくと"というのは、論理式にすると \[ \exists a\ a{=}x^2 \land p(x) \] ということである、\(\exists a\ a{=}x^2 \)が真の場合 \[ (\exists a\ a{=}x^2 \land p(x)) \equiv p(x) \] なので、"〇〇とおく"というのは〇〇の存在が真であるなら、元の論理式の真偽に影響を与えない

定理93の[注意]について

定理93の証明の前に[注意]がついているが、ここの論理がわたしら素人にはとてもわかりにくい

\[ \color{blue}{ \text{"} E\{f\ge 0\} \text{ と } E\{f\lt 0\} \text{ を分けてよい。} E \text{において } f(x)\ge0 \text{としてよい"} } \] と書かれているがこれは \[ \begin{align} E\text{ において } f\ge0 \land \text{定理93の仮定} & \to \text{定理93の結論} \tag{1}\\ \swarrow ~~~~&~~~~ \searrow \\ E_1=E\{f\ge 0\} \text{ について定理93が成り立つ}~~~~&~~~~ E_2=E\{f\lt 0\} \text{ について定理93が成り立つ} \tag{2}\\ \searrow ~~~~&~~~~ \swarrow \\ &~~~~\llap{\mbox{定理93}} \tag{3}\\ \end{align} \] という推論によって定理93が証明できることを言っている。\((1)\)の証明は本文に与えられている。\((1)\Rightarrow (2) \)と\((2)\Rightarrow (3)\)の証明は省略されている。自分で確かめないといけない。

\[ \color{blue}{ \text{"} a=0 \text{ として } F(e)\ge0 \text{ を得る ... } F(e)\ge0 \text{ と仮定して証明すればよい"} } \] という部分もわかりにくい。まず、\(F(e){\ge}0\) とは \((\forall e\ e{\subset} E \to F(e){\ge}0)\) のことである。これは、\(\text{仮定}(17)\ (\forall a,b,e\ -\infty{\le} a{\le} b{\le} \infty \land e{\subset} E\{a{\le} f {\le} b\} \to a\mu e{\le} F(e){\le} b\mu e)\) において、\(a{=}0\land b{=}\infty\)としたものである。ここの論理は \[ \begin{align} & A\land (\forall a,b\ p(a,b)) \to B \equiv A\land p(0,\infty)\land (\forall a,b\ p(a,b)) \to B \tag{4} \\ \end{align} \] なので、\((\forall e\ e\in E \to F(e)\ge0)\)という仮定を追加して証明すればよいということである。 なお、この \(F(e)\ge0\) という仮定は、[証明]で使われてないので?となるが、これは[注意]の中の \(\mu e_\infty {\gt} 0 \ \mbox{の場合}\ F(E){=}\infty \) を証明するときに使われている。 \[ \color{blue}{ \text{"} \mu e_\infty {\gt} 0 \text{ の場合 ... } \mu e_\infty {=} 0 \text{ の場合 ... "} } \] という部分の論理は、 \[ \begin{align} &C\lor D\ が真のとき \\ &A\to B \equiv A\land(C\lor D)\to B \\ &\hphantom{A\to B} \equiv (A\land C)\lor (A\land D)\to B \\ &\hphantom{A\to B} \equiv (A\land C\to B) \land (A\land D\to B) \\ \end{align} \] なので、\((\mu e_\infty {\gt} 0 \lor \mu e_\infty {=} 0)\equiv\text{真}\) であることより、 \[ (\mu e_\infty {=} 0 \land \text{定理93の仮定} \to \text{定理93の結論}) \land (\mu e_\infty {\gt} 0 \land \text{定理93の仮定} \to \text{定理93の結論}) \] を証明すればよいということである。\((\mu e_\infty {\gt} 0 \land \text{定理93の仮定} \to \text{定理93の結論})\)は、[注意]の中で証明されているので \[ (\mu e_\infty {=} 0 \land \text{定理93の仮定} \to \text{定理93の結論}) \] だけ証明できればよい。これより、\(\mu e_\infty {=} 0\) を仮定に追加することになる。本文で \[ \color{blue}{ \text{"よって } \mu e_\infty {=} 0 \text{ としてよい"} } \] と書かれているのはこのことを指している。 \[ \color{blue}{ \text{"} a{=}\infty \text{ とすれば } F(e_\infty){=}0 \text{ を得る"} } \] これは、 \(\text{仮定}(17)\ (\forall a,b,e\ -\infty {\le} a {\le} b {\le} \infty \land e{\in}E\{a{\le}f{\le}b\} \to a\mu e{\le} F(e){\le} b\mu e)\) において、\(a{=}\infty\land b{=}\infty\land e{=}e_\infty\) とすると、 \(F(e_\infty){=}0\) となることを言っている。なので、上の \((4)\) と同様の論理によって、 \(F(e_\infty){=}0\) を仮定に付け加えてよいことになる。 \[ \color{blue}{ \text{"}-\infty{\lt}a{\le}b{\lt}\infty \text{ なる }a,b \text{ に関して}(17)\text{を仮定すれば、定理は成り立つ"} } \] ここで、仮定\((17)\) の条件 \(-\infty{\le}a{\le}b{\le}\infty\) が \(-\infty{\lt}a{\le}b{\lt}\infty\) と緩められている。緩めているのは、 \(a,b\) がそれぞれ \(\pm\infty\) を取った場合の仮定\((17)\)が他の仮定から導かれるからである。が、その辺の詳細は省略されている。自分で確認しないといけない。
ここで仮定を緩める(仮定を減らす)論理は、 \[ \begin{align} &A\to B\ が真のとき \\ &A\land B\to C \equiv A\land(A\to B)\to C \\ &\hphantom{A\land B\to C} \equiv A\to C \\ \end{align} \] である。なお同じ論理を使って仮定を増やすこともできる。
以上、増やした仮定、減らした仮定をかき集めて \[ \color{blue}{ \begin{align} &\text{"}f(x){\ge}0,F(e){\ge}0,\mu e_\infty{=}0, F(e_\infty){=}0 \text{ と仮定して証明すればよい} \\ &\text{この仮定の下においては、}{-}\infty{\lt}a{\le}b{\lt}\infty\text{ なる }a,b \text{ に関して(17)を仮定すれば定理は成り立つ。"} \end{align} } \] ということになる。この後[証明]がつづくが、[証明]では特にややこしい論理は使われていない。

映画

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映画見に行った。日曜なんで混んでた。前の方の席。で、ひどい偏頭痛になる。もう映画は行かんほうがええ。ロキソニン買って帰る。効くまで40分くらい

\( (A\to B)\to C \) について

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\( (A\to B)\to C \) という定理があったとする。これは \(A\) が偽のとき、\( A\to B\) が真となり、このときも定理は、\(C\) が真と主張することになる。おそらく定理の主張は\(A\)が真で\(A\to B\) が真のとき \(C\) が真といいたいのであって、\(A\)が偽のとき\(C\)が真という主張は定理の意味をこわしていると思われる
たぶん一般に \( (A\to B)\to C \) という形の主張は論理式としてはあり得ても、定理としては意味が破綻するのであり得ないと思われる。 定理がそういう形に見えるのは、本当は、\( (A \land B)\to C \) もしくは、これと同値の \( (A \land (A\to B))\to C \) というのが正しい解釈なのを間違って解釈しているときだと思う。

\( (A\to B)\to (C\to D) \) もしくは、これと同値の \( (A\to B)\land C \to D \) という論理式は実用に使われると思われる。これはある定理 \( A\to B \) を適用して、 \( C\to D \) を証明する場合に相当する。

\( \forall\ x (f(x)\to g(x))\to h \) という定理は、\(f(x)\) が真になる \(x\) が存在すれば意味を持つ。 \( x\in \{1,2\} \)として \(\forall\ x\) をバラしてみると \[ (f(1)\to g(1))\land((f(2)\to g(2))\to h \] となる。もし\(f(1)\)が偽であっても\(f(2)\)が真であれば、定理は \(((f(2)\to g(2))\to h\) という意味を持つことができる。しかし \(f(1),\ f(2)\) ともに偽のときは定理の意味が壊れる。
証明するときは、\( \forall\ x (f(x)\to g(x)) \) が真のとき \(h\) が真を示せばよい。 \(f(x)\)が真のとき\(g(x)\)が真であることを示す必要はない。気がつくと \(f(x)\to g(x)\) の証明を一所懸命考えてたりするので注意。

定理93

定理93を論理式にすると
\[ \begin{align} &\forall\mu,E\ (\mbox{\(\mu\)は測度}\land\mbox{\(E\)はM集合}\land\mu E \ne \infty \to \\ &~~~\forall f,F\ (\mbox{\(f\)はM函数} \land \mbox{\(F\)は加法的集合函数} \to \\ &~~~~~~\forall a,b\ (\mbox{\(a,b\)は実数}\land -\infty \leq a \leq b \leq \infty\ \to \\ &~~~~~~~~~(\forall e\ \mbox{\(e\)はM集合}\land e \subset E\{a\leq f \leq b\} \to (a\mu e \leq F(e) \leq b\mu e)) \tag{17}\\ &~~~~~~) \\ &~~~~~~\to F(E) = \int_E f\,d\mu \tag{B}\\ &~~~) \\ &) \end{align} \] 定理の本体は、(17) ⇒ (B) の部分である。日本語に翻訳すると
"Fが領域の至る所で平均値の性質を満たすならばFは積分に等しい"
となる。定理93はFについての定理である。

"\(\to\)" がネストしてると非常にわかりにくいのでちょっと整理してみると \[ \begin{align} \forall\mu,E,f,F\ \ & \mu E \ne \infty \land (\forall a,b,e\ -\infty \leq a \leq b \leq \infty \land e \subset E\{a\leq f \leq b\} \to a\mu e \leq F(e) \leq b\mu e ) \\ &\to F(E) = \int_E f\,d\mu \\ \end{align} \] となる。ただし \(\mbox{\(\mu\)は測度},\ \mbox{\(E\)はM集合},\cdots\) などは省略した。また \(A\to(B\to C) \equiv A\land B \to C\) (条件部をまとめる) と \(\forall x\ f(x) \land (\forall y\ g(x,y)) \equiv \forall x,y\ f(x) \land g(x,y) \) (量化子を冠頭にまとめる)を使った。\(a,b,e\)はグローバルスコープにもできるが、局所スコープのままのほうがわかりやすい。また、"\(\to\)" のネストが1つ残っているが、\((A\to B)\to C\)という形は"\(\to\)"を1つに簡略化できないので仕方がない。

述語論理の演繹(推論)

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量化子をつけた推論ってどうやるのかな?で、調べてみたら量化子の除去規則で量化子を消して単項命題にして推論をするみたい。A(x)を述語とみたらA(x)は命題ではないので推論の対象にならないが、A(x)をxに任意の項を代入した単項命題とみなしたときは推論してもいいらしい。じっさいの証明でも「∀xA(x)」は「任意のxについてA(x)」としてA(x)について推論していくから、じっさいの推論と量化子除去&単項命題の推論は整合している。 \[ \newcommand\sp[1]{\hspace #1em} \newcommand\sub{\lower 1em} \] \[ \displaylines{ \underline{\forall x A(x)}\rlap{\sub{\forall 消去}} \\ \underline{[A(x)]} \\ \underline{\sp{1} \vdots \sp{1}} \\ \underline{\sp{2} B(x)\sp{2}}\rlap{\sub{\to 導入}} \\ \underline{\sp{1} A(x) \to B(x)\sp{1}}\rlap{\sub{\forall 導入}} \\ \forall x (A(x)\to B(x)) \\ } \] が、単項命題とかたんなる言い訳で結局、述語A(x)で推論してるやんというのが正直な感想。色々考えてみたが、A(x)はA(1),A(2),......という具体的な命題を列挙したものの省略表記と解釈するのが一番納得がいくような気がする \[ \displaylines{ \underline{\sp{6}\forall x A(x)\sp{6}}\rlap{\sub{\forall 消去}} \\ \underline{[A(1)]\sp{4}[A(2)]\sp{4}[A(3)]} \\ \underline{\sp{1}\vdots\sp{6}\vdots\sp{6}\vdots\sp{1}} \\ \underline{\sp{2}B(1)\sp{4}B(2)\sp{4}B(3)\sp{2}}\rlap{\sub{\to 導入}} \\ \underline{A(1) \to B(1)\sp{1}A(2) \to B(2)\sp{1}A(3) \to B(3)}\rlap{\sub{\forall 導入}}\\ \forall x (A(x)\to B(x)) \\ } \] 抽象思考できない具体例の列挙でしかものごとを納得できないあんこ脳なので、こういう解釈をするしかない。

(参考)
1階述語論理の自然演繹
論理学入門
論理学入門」講義ノート

定理93が読みにくい

定理93が非常に読みにくい。なんでかなと考えてみた。たぶん二階述語論理ってのに慣れてないせいだと思う。この定理はメタ変数としてf(x)とE{何らかのxの集合}を考え、また、メタ関数としてF(e)と"積分S(e,f)"を考えて、これらを対象とした命題になっている。量化子で縛られるのはメタ変数、メタ関数である。∀E,f,F,μとか。これを変数x、関数f(x)を対象とした一階の定理として捉えようとするからわけがわからなくなる。

ようするに、xとf(x)についての定理ではなく、E,f,F,μについての定理だということ

NIVEA

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NIVEAの青缶を買ってみた。これはいい。匂いといい、色といい、手触りといいすべてが100円のハンドクリームとは一線を画す。